発想の勝利、短くも奥深い味わい。

 『あかいきつね』と『みどりのたぬき』、これらを本文に使用するというレギュレーションを、こういう形で使ってきたのは、発想の勝利、と言えよう。

 その発想が、麺を啜るように流れるストーリーに、加えられた薬味のようなピリリと刺激的なアクセントとなるわけだ。
 お見事。

 婚活をテーマにし、『卒業』を取り上げるのも心憎い。

 さて、インスタントのカップ麺は、およそ3分から5分くらいで出来上がる。
 だが、その仕上がりには、チープと言い切れない美味しさがあるものだ。

 こちらの短編も、まさに短いながらも奥深い味わい。
 口を付けたら、噛みきらず、最後まで啜る。
 そんな楽しみ方の出来る作品と、オススメしよう。