あとがき。
ここからはあとがきです。
さて、
「36.5°(さんじゅうろくどごぶ)」についてです。
この作品は、僕が一九歳の時に書いた作品です。勿論、現在の技量で手を加えた物となります。
唯一、僕の師匠がお墨付きをくれた作品なので、内容やクオリティについても、それなりではないかと思います。
また、
「一度シナリオを描いてみたいな」
そんな人の為に、少しだけシナリオのルールについても触れておきす。
まず、シナリオには二種類あります。
映像劇と舞台劇です。
僕が紹介したのは、映像劇用のシナリオです。
舞台劇も、根本的なことは映像劇と同じです。但し、舞台劇は、映像劇程には場面転換しません。
舞台劇で場面が転換する場合も、ト書きと柱で説明します。語りべに当たる人がナレーションで説明する事もあります。
それ以外のルールについては、映像劇も舞台劇も同じです。
日常で右、左で良い表現も、シナリオでは「
ルールは他にもあります。
「柱」は行頭であっても字下げしません。
「台詞」は一段下げた表記となります。
「ト書き」は、二段下げます。
読み返したら、どういうことか分かると思います。
映像劇のシナリオは、二百字詰め原稿用紙一枚で、三○秒ぐらいの映像表現に該当します。四百字詰め原稿用紙だと一分ぐらいです。
あくまでも目安です。
「36.5°」の場合は、二○分から三○分ぐらいの映像作品に相当します。
映像劇の場合、作家によってはいくつも柱を作り、厳密な行動描写やカット割りを指示することがあります。僕の場合、カット割りに関しては、かなりゆるく書いています。重要な場面以外は、殆ど指示していません。演者や映像製作者が、自分の解釈や撮り方を工夫する余地を残している。という事です。
また、シナリオについても「絵」。アクションや描写で語ることが重要視されます。セリフやナレーションや効果音でなんでも説明するものは、シナリオのコンテストを通りません。根本的なところは小説の評価基準と同じです。
以上が、シナリオを書く上での常識と注意点でした。
★
そして、この創作論について。
僕が記したのはあくまでも、数ある方法論の一つに過ぎません。分類するならば、僕の創作方法は、引き算の文章に特化したやり方です。
なので、もしも、
「読んだけど、なんかしっくりこなかった」
的な感想を持ったとしても、それはそれで間違っていません。自分に合ったスタイルを模索するのも良いことだと思います。責任取れませんしね。ふふ。
小説は本来自由な物です。
ルールさえ守っておけば、やってはいけない事はそうそうありません。思いきりやってみるべきだと思います。
後は、その作品が面白いか、感動できるか、深みや美しさ、凄みがあるか、共感できるか、胸に迫る物はあるのか?
それだけです。
僕としては、一人でも多くの作家さんが素晴らしい書けるように祈る次第です。僕は凄い作品を読みたいだけなのです。
★
で、ここまで読んでくれた貴方だけに、創作する上で最も大切なことを伝えます。
それは、作品を「完成させる」ということです。完成させる為には、失敗を恐れず書いて書いて、書きまくるしかありません。誰かの批評とか、この創作論に書いてあることは一旦忘れて、とにかく思い切り書いて作品を完成させて下さい。
この創作論で伝えた事は、貴方が推敲するにあたり、第二稿やらを作成する段階で活きることだと思われます。なので、とりあえずは作品を完成させてみてください。
〝量〟を経た先でしか見えない景色があり、理解できない事もあります。その過程でこそ、この創作論が述べている意味を理解できるようになると思われるので。また、100人が創作に挑んだら、99人は途中で諦めます。長編を書き切った時点で、貴方はもう勝利者なのです。書きまくって勝利を積み重ねてください。
優れた構想やストーリーを思いついて誰かに話したくなっても、ぐっと我慢して、密かに作品を書き進めてください。話せば宝物が消えてしまいます。これマジです。作家なら作品で語りましょう。どうか諦めないで下さい。辛くなった時は、この創作論が貴方の味方です。
貴方が書き上げたら、やっとこの創作論の出番です。ここに書かれていることを参考に、作品を研ぎ澄まして、研ぎ澄まして、研ぎ澄まして下さい。研ぎ澄ます内に、僕が記したことが理解できる筈です。
あ、推敲や改稿については必ず行ってください。じゃないとスキルアップしません。プロの作家ですら必ずやります。それこそ、何回も書き直します。その為の創作論です。
あと、あらすじとキャッチコピーでは、この創作論は初心者向けであり、それ以外の人には役に立たない。的なことを記しておりますが、あれはブラフです。
ぶっちゃけ、この作品では多くの人が見落としている重要な、誰かの財産になりそうな事しか書いてありません。
あらすじで侮ってスルーした人は、どうせ素直に吸収しないし、書いてある事の重要性にも気がつかないので、
宝物は、宝物として扱ってくれる人にこそあげたいですから。
ここまで読んだ貴方も、きっと見抜いた人ですね。見込みがあります。なんてね。
とにかく、この作品は何度読み直してもその度に財産になると思うので、度々読みに戻ることをお勧めします。必ず発見がある筈です。
以上、あとがきでした。
天さんに贈る【極私的】創作論❗️ 真田宗治 @bokusatukun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます