戦乱では、街が狙われる。
そこに軍事拠点があるし、富も集積している。
近くに河か港があって物資や兵の運搬・集積に便利でもある。
ご多分に漏れず、博多も戦国期にはなんども蹂躙され、灰燼に帰した街……この物語はそこから始まっている。
焼け野原になっても、街はその立地が便利であるが故に街となったので、条件さえ整っていれば、呼び水をすれば甦る。
復興を支えるひとつは、商人たちの、静かな、熱い思い。
いっぽうのプレーヤーである「関白様」は別の野心をもって博多の復興に注力していますが、そういう同床異夢、ひとびとのあらゆる思惑を飲み込んで甦り、そして現代に続く『街』……歴史と、『街』の重層性を感じさせる物語です。