子どもの頃、理由があってそばを食べられなかった主人公のヒサシさんには、心残りに思っていることがありました。でも、ただ悔やむばかりでは終わりません。
大人になってそばが食べられるようになったので、果たせなかったことを成就させるべく行動を起こします。
青・白・緑。
題名から浮かぶ清々しい景色は、そのまま主人公の心の中の風景です。
自らの手で最高の思い出を引き寄せたヒサシさん。
その姿は、優しく私たちの背中をも押してくれます。
いつでもやり直せるのだと。
悔やまれる過去だって、その気になれば良い思い出に書き替えられるのだと。
作者の不屈の精神と、温かいエールが伝わってくる物語。
是非、読んで元気をもらってください。
「今までの人生で一番美味しかったカップ麺は? 」
そんな雑談をきっかけに、主人公ヒサシは過去に想いを馳せます。
身体が弱く、おばあちゃん子だったヒサシ。おばあちゃんはいつも優しかったけれど、歳のせいか、いつもヒサシ少年の食べられないものをすすめてくるのです。
アレルギーだからと断るものの、おばあちゃんの悲しそうな表情に、少年は罪悪感を覚えます……
青い空と白い雲の下、爽やかな秋晴れの山の中で食べるカップ麺は、本当に美味しそう。
ヒサシ君が美味しそうに食べるのを見ていた人たち、きっとカップ麺を買って帰っただろうな…と思い、ニヤっとなりました。マルちゃん!!(笑)
人生で一番美味しいと思ったカップ麺。
語られる思い出とその答えに、ほろりとさせられます。おばあちゃん、喜んでくれているといいな……思わずそう願ってしまう、優しく温かな物語です。