オマケ

 Side ヨウコ・ヒダマリ


 私は地球防衛軍のヨウコ・ヒダマリ。


 ニューウィンドと言う機体のテストパイロットをやって実戦に参加した。


 地球防衛軍の上層部は議会受けとかどうとか言って見てくれだけは立派なゴツイ新型機ばかり作っている。


 テストパイロットは何時しか損な役回り。

 処罰待遇みたいな扱いになった。


 だけどパワードスーツや整備用のパトルスーツなどが開発され、整備面はよくなった。


 更には新しいOSとかで操縦性も劇的によくなった。


 なんでもヒグレ・ソウタと言う私と同じ日系人が関わっているらしい。


 そしてニューウィンドと言う全く別の、未知の機体を動かす事になった。


 軽く動かしてみたが羽のように軽い。

 

 頭部のバルカン砲や胴体マシンキャノンの使い方もご丁寧に解説されていた。


 他にも色々と機能がある。


 それに今迄のバトルマシンの武装を概ね使えるようにしてあるなど、現場の要求仕様を全て満たしている。


 ザム―ル帝国のロボットは目に見えて戸惑っていたと思う。

 今迄の新型とは全く未知の、別次元の機体だからだ。


 頭部バルカンや胴体のマシンキャノンで牽制。

 そして手に持ったビームライフルでトドメを刺す。

 標準装備のシールドの裏側にはサーベルが付いていたり、中にはパイルバンカーなる未知の兵器が付いていて相手の強固な装甲も打ち破れる破壊力だ。

 

 他のニューウィンドの機体も多大な成果を挙げている。


 これを作った日系人、ヒグレ・ソウタとは一体何者なのだろう。

 


 Side グレン・ハワード(ハワード財団の現当主・地球防衛軍のパトロン)


 ヒグレ・ソウタ。


 彼を拾ったエリシアは中々の酔眼の持ち主だったようだ。


 控えめに言って彼――ヒグレ ソウタは面白い。


 ユニークでありながら中々に行動力、決断力がある。


 この世界の日本人はともかく、平行世界のサラリーマンの日本人と言うのは侮れないようだ。

 

 彼を脅威に思う部分もあるが、何度か接してみて分かった。


 彼は根っからの庶民的な感性の持ち主で、技術者でも政治家でもなく、どちらかと言うと芸術家肌なのかもしれない。あるいは夢想家か。


 防衛軍のバトルマシンを玩具として販売するように、売り出し方に至るまでレクチャーしたりした時は笑ったものだ。


 更には整備用として開発したパワードスーツの新たな雇用獲得計画初案まで出したりした時とかは彼の有能さ評価すると同時に職業軍人どもの頭の固さに怒りを覚えてしまったものだ。


 彼の御蔭で多少は軍人どもも頭は柔らかくなるだろう。


 いや、本当に彼の活躍は痛快だった。


 そして新型バトルマシン、ニューウィンドウで一気に花開いた。


 現場と財政事情の難題をクリアし、そして戦果まであげると言う大成功を治めた。


 これからバトルマシンは重装甲、重火力ではなく、機動力重視の流れになるだろう。


 そんな彼は地球防衛軍が過去に使用していたバトルマシンの改良に勤しんでいるようでどうなるか楽しみですらある。


 これで彼もネタ切れかなと思ったが今度は空を飛ぶバトルマシンの開発に着手しているようだ。


 彼はファンタジーの世界の住民なのかもしれない。


 話をもどそう。


 いちおうザム―ル帝国の技術の解析しているが、全体的に言えばそんなに解析率は高くない。

 

 それにザム―ル帝国の宇宙船はともかく、ザム―ル帝国のマシンですら地上を這い刷り回っていると言うのに。


 だから軽く聞いてみたんだ。

 そしたら丁寧にイラスト――ヒグレ ソウタ君は絵心もあるらしく、分かり易い上に上手く絵も描けていた。


 ご丁寧にそれに必要な予算や見積もり表や正式採用の可能性を語った上で― 



 今度は予算が高くなって正式採用が見送られるかもしれないなどと言った時は吹き出した。 


 変なところで庶民的なんだ彼は。


 まあそう言うところが好きなんだがね。


 実際、コストは高くなるだろし今度は実験的な意味合いは強い。

 だがバトルマシンが空を飛べるようになると言うのは実に興味深いしその技術は例え正式採用されなくても多大な功績として歴史に名を残すことになるだろう。


 他の派閥連中も慌てて何を考えているのか開発に着手しているが――特にニューウィンドのコンペで大恥を掻かされた連中なんかはリベンジに向けているようだ。


 さてさて、どうなる事やら。


 ――そして彼は空を飛ぶバトルマシンの開発に成功させる事になる。

 

 ――その方法も多岐に渡った。


 ――もしも第二次大戦で彼がいたら戦争は違った結果になったかもしれないと思ったりもしたが・・・・・・当時の日本帝国の気質を考えた場合、上手く才能を活かせなかっただろうなと思った。


 ――彼がいた平行世界の日本も第二次大戦時の日本も根っ子は似たり寄ったりかもしれないな。

 

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【短編】現代日本人の俺が平行世界の滅び行く世界でロボットを作ってます。 MrR @mrr

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