これは人間らしい女性型ロボット、"D2"の物語。

彼女の視点で描かれている本作は、人間などの生き物の目線ではなくロボットの目線で進んでいきます。

それを意識してか、地の文は丁寧口調でより細かい描写。
加えて所々に人間味のある感情的な行動が見て取れ、集中して読んでいると、彼女がロボットだと忘れてしまう時があります。

全体の文章を見ても、丁寧かつ静けさというべき雰囲気があり。
主人を思う淑やかなメイドロボの内心は、きっとこうなのだろうなと考えると、口元が緩んでしまうくらい綴られる文が綺麗です。

登場人物、文章ともに良好な「メイドロボの私が愛されヒロインになるまで」。

タイトル通り、彼女が愛されるその日まで。
このレビューを切っ掛けに、人間味あふれるメイドロボ――D2の物語を、一人でも楽しんでいただける事を願っております。

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