第5夜 マニピュレイトヒューマンと2人の男

 謎野は、いつもの山道へ向かっていた。そこでは、やはり地面から声がする。

「謎野、2人犠牲者が出たようだが、まあ、また1つ、都市伝説を消すことが

できた。それなら上的だ。お前は、かなり役に立つ。これからも我のために、

働いてもらうぞ・・・」

「ははっ、ムサシさま。必ずやこの謎野雷喜がムサシさまのお役に立ちましょう」

「頼むぞぉ・・・。ほれ、謎野、あちらの方で、また都市伝説が出たようだ」。

「それでは、また回収に行ってきます」。

と、謎野は、山を下って行った。

 (ムサシさまのためなら、私は献身的に・・・。私は誰だ?なぜこんなところで

こんなことを・・・。一体?ムサシさまとは誰だぁ?)

「ううっ!ぐあっ!ああ・・・」

謎野は、急な頭痛に、山道で倒れた。かすかに声が聞こえた。

「謎野、お前が私から離れてはだめではないか。お前はこれからも、私のために

働くのだ・・・。私は都市伝説界の支配者になる・・・。グフフフフフ!!」

謎野雷喜は、また歩き出した。あちらでは、また悲鳴があった。都市伝説がまた

現れたようだ―—―


 ここは、とある貸家。クモの巣をかぶっていて、警察が出入りしている。

「ここに、中多雷太がいたのだな?」

そこに、夏なのに、コートを着た男がやってきた。

「いったい何の騒ぎなんだい?」

警察が答えた。

「ここに、中多雷太という人物がいたのだが、半年前から行方不明なんだ。今も

捜査中で、みんな頑張っているのだが、やはり手掛かりは見つからない」。

「フゥ~ム」

コートの男は、家の中に入った。家の中は、汚く、整理ができていない。

「新聞記者目指して頑張るぞ~!!」と書かれたプレートがあった。コートの男は、

そこへ入った。様々な新聞記事が壁に貼ってあった。どれも、都市伝説に

ついての記事だった。そこには、書きかけの記事の原稿があった。見出しには、

「山でしゃべる謎の声!大調査開始——」と。そこに、警察がやってきた。

「お前は見てしまったのだな?許せないぃぃぃぃ!!」

警察は集団で襲い掛かってきた。よく見ると、頭には、チップが埋めてあった。

「これが、マニピュレイトヒューマンか。お前らだったんだな」。

マニピュレイトヒューマンは、誰かに、頭にチップを埋められて、操り人形に

されてしまうという都市伝説だ。

「くそっ、まあいい。ペンで・・・ああっ!」

コートの男は、ペンを取り出すが、それを落としてしまった。

「それがなかったら、回収できないのにぃ・・・」。

そこに、急に何かが現れた。部屋にあった、写真と同じ顔の人物だった。

そして、みるみるマニピュレイトヒューマンが溶けていった。

「あ、ペン!よかったぁ~。これがなかったら・・・。ところであいつは?」

コートの男は、外を見る。山へ向かって歩く人物がいた。写真と同じ顔の人物だ。

そこには、コートの男と同じペンが握られていた―――

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武蔵野市・都市伝説伝 徐々に明かされる正体編 DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555

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