自転車が走る。彼が愛した玉川上水を。桜の花びらと水神様に願いを込めて。

幸桜(さくら)と瑞樹(みずき)。
二人で歩いた玉川上水。
彼との思い出が詰まったその道を、幸桜は自転車でひた走る。
水音を追いかけ、サクラとミズキの木が並ぶ場所まで。
ただひとつの、大切な願いを叶えるために。

幸桜と一緒に走りながら、読者の前にも、様々な表情を見せる玉川上水の景色が次々に現れます。
切ない願いと武蔵野紀行が無理なく組み合わされた、味わい深い短編です。
色彩豊かな玉川上水、あなたも共に走ってみませんか。

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