董卓さんかわいそうです(´;ω;`)

三国志演義の董卓と言えばはじめのラスボスといった感じで凄まじい存在感を示しています。また演義でなくとも、たとえば約二百年後の中国ではすでに悪逆非道なやつとして槍玉に上がっています。こんな感じ。

夏后之罹浞豷
有漢之遭莽卓
 夏は(寒)浞や豷に、
 漢は王莽や董卓に蹂躙された。
(宋書 巻一 武帝本紀)

ここで夏の時代の二人は、臣下でありながら王を殺した「中国史上最初の」弑逆者。要するに問答無用のクソ邪悪。そして王莽も前漢を滅ぼすという、これも問題外のクソ邪悪。

この問題外どもに、董卓は並びます、と宣言されてるわけです。

その辺り、三国志演義を通過してる現代の我々にとっては、問題なく「まぁそうだよね」って感じに、なる。

けど、実際に董卓の伝が載る後漢書や三國志を読んでみると……?

というのが、この作品のテーマ。その内実については、作品のタイトルが宣言するとおり。なんつーか、かわいそう。胃がキリキリすること確実です。

もちろん、本作の解釈が本当に正しいかどうかについては、興味を持った方が実際に原典に踏み込む必要があります。ハードルはくっそ高いと言わざるを得ませんが、ただ当作と原典を引き引きすれば、意外と行ける……かも? 行けないかも? どうでしょう。

新しい董卓像を示してくれる本作は、「よく知ってる歴史」のありように一石を投じてくれています。

さぁ、みんなも読もうぜ! 三国志の原文!(ひどいことを言い出した)