血染めの白無垢が鮮烈な印象を残す。裏切りと怒りを描きながらも、澄み切った切なさが染みる良作。
にんげんです
舞台となった時代や街を知らなくても、木々の揺れる音や月の光の入り方まで伝わってくるような、美しい物語でした。鬼と化してしまっても、元からの内面的な美しさは残っていたのが救いでした。
読んでいて淡々と感じたのは、ガンッと強く心に残る鬼胎に似たモノでした。悠々として、流れるような言葉によって描かれる世界が、私をより一層怪談の世界に引き込んで、そしていつしかその世界の人々の心に刻ま…続きを読む
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