怪談は小夜時雨の音とともに

語り手のセリフのみで語られる書き方に、冒頭から魅せられました。その穏やかな語りに思わず、読者も静かに耳を傾けてしまいます。聞き手の女性との関係性や状況などは、会話の中にある情報をもとに把握しなければいけませんから。少しずつ浮かび上がる情景とともに、恐怖もじわじわと迫っていきます。

タイトルが示す最後の言葉の意味を理解したとき、震えながらも読み返しました。上質のホラーをご堪能ください。

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