全裸計劃
HK15
全裸計劃
「たちの悪い冗談だったんだ」ジョンは言った。「
「で、あなたがたはその
ジョンはうなずいた。
「アングルトン時代の
「例の
「そうだ」ジョンは顔をしかめてうなずいた。「しかし、あれは一例に過ぎないんだ。話に出たから、英国を例にとるが、
ジョンはそこで肩をすくめてみせ、
「有り体に言うとだね、70年代後半まで、アメリカ合衆国は、オカルト戦争においては、他国の後塵を拝し続けてきたんだ……。もちろん、我々だって、ずっと拱手傍観していたわけじゃない。たとえば、第二次大戦前後のインディアナ・ジョーンズ博士の活躍は偉大で、今に至るも、米国の
「そのための〈
「
「と、いいますと……」
「要は、我々の
「正気とは思えませんね」
「そうだろうね。今にして思えば、まったくとち狂っていた」ジョンは苦笑いした。「だがね、狂気の渦中に身を置いているとね、自分らがいかにいかれているか、認識するのは極めて困難なんだよ……」
そこで、ジョンは、目の前にいる、青白い顔の若いCIA局員に向かって言った。
「さて、アーサーくん。こうやってきみが、アーカンソーのこんな田舎町までやってきたのは、
若い局員──アーサーはうなずいた。持っていたカバンの中からアップルのラップトップを取り出し、テーブルの上に置く。
「これからあなたに見せるものについては、連邦政府の定めるところにより、守秘義務が課せられます。よろしいですか……」
ジョンはうなずいた。アーサーはPCを操作した。動画がディスプレイいっぱいに表示される。
高高度から撮られたことが一目でわかる動画だった。
すっぱだかの人間の群れが、広い道いっぱいに溢れて、わらわらと行進している。
老いも若きも、男も女も、肌の色も様々の人々が、みな生まれたままの姿で、へらへら笑いながら歩いている。しかも、面妖な歩き方なのだ。足を異様に高く上げたり、三歩進んで二歩下がったり……。調子外れの歌も聞こえてくる。しかし、なにより異様なのは、道にあふれる人々全員が、片手に何かの飲み物のペットボトルを持っていることだった。
「これはシェルミッケドム共和国の首都へヴンで撮影されました。3日前の映像です」
アーサーの声を、ジョンはどこか遠くで聞いていた。
「これは……」
「そうです。まさしく、あなたがたが取り組んでいた
「おう、なんと。つまり、これは……」
「そうです。何者かが、とうの昔に葬られたはずの
「なんだって……」
「そうです、ミスター・スミス。シェルミッケドムだけではありません」アーサーは低く、乾いた声でいった。「世界各地で、
(続かない)
全裸計劃 HK15 @hardboiledski45
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます