清も濁も併せのみ、光も闇も兼ね備え、悲惨な運命を打ち砕け

始まりはコメディ、助走はテンプレ、そしてそこからの魅力的な物語。

前世の記憶は活かしつつも、現世の立場と自我を軽んずることなく、己と一族郎党を守るため最善を尽くす主人公は実に魅力的。

家を愛し、誇りを持ち、品格を保つ。貴族として生きる主人公。
ピカレスクロマン…というよりはハードボイルドファンタジーか。時折ダークな描写が物語に華を添える。

まだ序盤だが主人公の魅力もありここまでは実に良作。
願わくば主人公がキャラ崩壊することなくこのまま突き進んでもらいたいところです。

最後に作中で最も好きなセリフを一つ。
「私はイルク・フォルダン。主人公ではない、ただの転生者だ。」