これは狙撃の才能を持った青年が絶望的な戦いを生き抜いていく物語だ。
この物語を読み始めて最初に思い出したのは高校時代に読んだロバート・A・ハイラインの「夏への扉」だった。
かの主人公と同様に「Doggy House Hound」の主人公「トウジ」もコールドスリープで過去から未来へとやってきたある種のタイムトラベラーだ。
そこから繰り広げられる物語は大きく違うが、物語の心地よさと主人公が元居た場所と違う場所に来てしまった「異邦人」としての孤独感が私にこの物語と「夏への扉」を関連付けさせた。あとペットとか。もっともあちらは猫でこちらは犬だけれど。
かなりシビアな世界を主人公は戦い生き抜いていく。その狙撃の才能と12体+1匹の相棒と共に。
一人称で淡々と時折ユーモアとブラックユーモアを交えて語られるこの物語だが、その語り口からは優しさと暖かさも感じ取ることができる。
素晴らしく心地よい作品でした。
「スカイ・クロラ」とか「All You Need Is Kill」とか「極大射程」とかがお好きな方も是非どうぞ。
読み終えたら珈琲でも飲んでこうつぶやこう――――――「成程」と。
主人公は500年間保存された挙げ句借金で地下労働者となった逆境無頼みたいなやつ。
まあそんなのはどうでもいい。作者だってどうでもいいと思ってるだろう。記憶喪失で流してるし。
特徴的なものは戦闘。とにかく戦闘だ。銃を構えて引き金を引き金を引き殺す。敵は昆虫人とからしいが殺す。撃ち殺す。そのうちゲンジバンザイとか言い始めるに500ペリカ。
あとロボット。ロボットをけしかける。それぞれ個性があって噛み殺したり待ち伏せて殺したりする。この作品の外連味をマシマシする頼れる奴らだ。
まだ始まったばかりだが、これからまた銃を撃ってけったいなロボをけしかけて敵を殺すのだろう。
その日常が続くのか、あるいは粉砕されるのか?次回を待ちたい。