転生特典がリアルガチャ爆死。
これを聞いた時点では「出オチかよ」とか「邪神じゃねえか」とかと思ったものだがこではまだ地獄の入り口に過ぎなかった。
さながらWWⅡ東部戦線のごとく死んでいくネームドたち。
善人も悪人も仲間も敵も何の区別もなく容赦なく死んでいく。
命の価値は平等だというようにすべからく平等に死んでいく。
人によってナレ死すらなく行間で死んでしまう。
なんでキャラすぐ死んでしまうん。
完全になろうフォーマットのギャグタイトルなのに殺伐しすぎてる。
救いなのは主人公のメンタルが恐ろしく強いこと。
というか主人公がややサイコパス。初期行動の理由はアレだったけど、それが治っても別方向にサイコ。
悪人ではないし理性はあるし限度も知っているのだけれどそのタガを理性自身で外せてしまうタイプ。
目的を達成するため必要がその行動を生む。そして神もそれを望まれる。
ただこのメンタルが無ければ開始早々「●●●●●のぼうけんは ここでおわってしまった! 」になるので止むを得なかったかと。
ブラックな笑いの中に切なさもふんだんに含まれた良作でした。
終わり方も美しかったし。面白かったです。
しかしこんな容赦のない作品を書く作者は何ものなのか。
コメントの返信もサ…味があるし。何か主人公と似たにおいがする。
その謎をあきらかにすべく私は作者の別の作品へ向かった
面白すぎて嫉妬してしまいます。自分が先に書きたかった……
ガチャを回して異世界を生き延びろと命じられた集団の中で、女神に反抗した主人公はノーマルしか出ない呪いをかけられるという話。
しかし実際にガチャを集団で回してみたらあら不思議、ほとんどの人間の頭がその場で爆散。文字通りのガチャ爆死ですが、要するに他のランクが"Hell"(ヘル(地獄))とかなので、一見ショボいノーマルこそ最もまともだった、という理屈です。
ちなみにおじいさんも出てくるのですが、おじいさんも爆死します。ここまでためらいなくご老人を殺す小説は久しぶりです。『ファニーゲーム』という映画をとっさに思い出してしまいました。
そんなわけで倫理的にどうかしている設定ですが、深刻になりすぎず、かといってアイデア倒れで終わることもなく、絶妙なゆるさの筆致でぐいぐい読ませます。各エピソードのタイトルも秀逸です。笑っていいのか悪いのかわからないけど笑ってしまう感じ。あまり知らない親戚の葬式で、読経がふとツボに入ってしまったような、言いようのない気持ちにさせられます。
繰り返しますが、自分が書きたかった理想に相当近い筆致で、言いようのない敗北感が頭をよぎります。でも面白いです。今後とも追わせていただこうかと思います。