あとがきに代えて


 この度は、拙作「love letters」をお読みいただき、本当にありがとうございました。

 本作は私の作品としては珍しく私からお誘いした、羽間慧さんとのリレー小説となっています。


 始まりはTwitterでのある呟き、というか短い小説でした。


 羽間さんはその時、「勇気が出なくて、リレー小説の誘いができずにいる」という趣旨の短い小説をTwitter上でお書きになられていたのです。

 これがまた素晴らしいのです。勇気を出してペアになって欲しいと声を掛ける主人公なのですが、誘った相手に苦笑いをされてしまいます。きっとクラスメイトにはすでにペアになっている人がいて、そのクラスメイトは困ってしまってるんですね。


 そして主人公は「仲のいい二人の間に入れなくて、リレー小説の誘いができずにいる」、と続けるわけですが、この短い文字に凝縮された切なさと申しますか、勇気を出して誘ったのにダメだった時の悲しさがありありと表現されていて、やはり「羽間さんは凄いなぁ」と思ったのでした。そして。

 あまりにもその小説の主人公が可哀想になってしまい、思わず「私で良ければリレー小説をやりましょう」と羽間さんをお誘いした。そういう流れになります。


 その後、羽間さんは二つ返事で了承して下さいまして、そして我々のリレー小説が始まったのでした。

 今回はざっくりとしたプロットとチェックポイントを決めてから書き始めたのですが、リレー小説って本当に面白いのです。いい意味で予想した展開を裏切られるので、その都度新しい状態で物語に向き合える。これは一人では絶対にできない体験だと思います。


 今回は「真面目な恋愛小説」がテーマだったのですが、羽間さんの描かれるヒロイン「夏帆」がもう可愛いくて可愛いくて。自分の力では絶対に書けないタイプのヒロインです。

 素直で一途。相手のことをずっと思いながらも、決して依存している訳ではなく、逆境にもめげず自分の足で歩こうとする主人公タイプのヒロイン。もう一人の主人公「海斗」のことをずっと思っているのですが、その心の中の動きや思いなどが文面に表れていて、この葛藤とか悩みとか、そういう「気持ちの部分」の描写が素晴らしいと思いました。


 対する「海斗」は、役回りがアレなのですが、正直ちょっと失敗した感があります。夏帆のことをずっと想ってるんですけど、基本的に世の中を諦めてて、どこかドライなヤツなんですね。もう少し海斗の気持ちを書けてやればと思ったのですが、その分の対比で夏帆がより鮮やかになって、今では「これでよかった、海斗は所詮ダシだったんだよ!」と思えるようになりました。笑



 さて、自作を語るのは得意ではないので、そろそろ締め始めようかと思います。

 本作をお読みいただいたみなさん、本当にありがとうございました。少しでも楽しんでいただけたら、そして羽間さんの描かれる「夏帆」を好きになってくれたらいいなと思います。


 そして羽間さん、この度はやや強引なリレー小説への誘いに、二つ返事で了承していただきましてありがとうございました。

 これは私が勝手に思っていることなのですが、羽間さんとは「不思議な縁」があると思っています。

 私がカクヨムに来て初めて出した作品は「テーマパークで復讐を」というお話なのですが、このお話に初めてレビューをくれたのが羽間さんなのです。


 このレビューは本当に思い入れのあるもので(レビュー第一号)、羽間さんが私の作品を見つけてくれなかったら、私は今カクヨムで小説を書いていないでしょう。これは断言できます。

 そして、羽間さんの「色彩のトランク」を読んだ時のあの衝撃、きっとずっと忘れられないと思います。


 もし読んでない人がいたら要チェックですよ!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886773997




 2018年の10月1日にカクヨムを始めて、もうすぐ丸3年。初めて自分の作品を見つけてくれた人と、こうしてリレー小説が出来るなんてそれこそ「小説」みたいな話です。


 そしてこの作品を読んで頂けた皆様に感謝を。皆様の応援は、本当に力になりました。こうして作品を通して輪が広がるのも、カクヨムのいいところですね。


 という訳で話が散らかってしまいましたが、ありがとうございました。

 私の作品は、皆様に支えられています!



 2021年 秋(とはまだ言えない)

 夏嫌いの薮坂

 




 

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love letters 薮坂 @yabusaka

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