リレー小説という形で交互に描かれる、もどかしくて、でもどこか応援したくなる、そんな優しいお話です。こちらの薮坂さんの作品は、海斗という男の子の視点から描いたものになっています。ぶっきらぼうで、不器用な、でも誠実で真っ直ぐな海斗は、この作品の中で確かに生きている、そう思わせる力が筆者にはあります。とりあえず、まず読んで欲しいです。きっと素敵な文学体験になるかと思います。あと、読者の中に石油王の方がいたら書籍化と言わず映画化とかして欲しい。オススメです!
万年筆で綴られた手紙。高校生の主人公・海斗が送る相手は、小学校のときのクラスメイトだった。転校先で出会った女の子・夏帆との出会いが、海斗の青春を美しく彩っていく。手紙に書くことのできる思いもあれば、秘密にしている恋心もある。伝えられない想いは、成長とともに変化してしまうのか。遠距離ならではの交流のほか、夏の情景も堪能してください。
リレー小説として二人で綴る切なく甘い物語。ずっと支えになってきた幼き頃の友達。その当時から、正直に言えなかった秘められた想い。友達以上の感情を口にすることなく時は過ぎ……。家庭の事情で届かなくなった往復書簡ですが、今こそ届いて欲しいと思います。