今の時代を描くカフカ的狂乱の悪夢

 ごく平凡な男子大学生が、GTAシリーズのような暴力的でグロいVRゲームをプレイしている。
 あまりの残酷さにおいおいとなりつつも、それを存分に楽しむ自分がそこにいる。
 あまりにも仮想現実がリアルになった世界で、リアルじゃない体験が真実だとしたら?
 虚実の境を失っていく主人公が、まるで夢の世界での出来事のように何かを失って行くとしたら?
 カフカの「変身」や「審判」を2020年代に描くとしたらこういった物語なのかもしれない。

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