「いつものブラックにビターチョコレートを2枚添えて」

この冒頭フレーズ。
何でもない描写に見えて二人の関係性がギュッと溶けこんでいるのです。

仕事の鬼と言われる敏腕イケメン上司。主人公の敬愛はいつしか恋に変わっていき……
主人公を取り巻く音響制作会社の面々も生き生きと描かれて、その人間模様とも絡み合い物語は展開します。
真剣に仕事に向き合う頑張り屋の主人公と、上司という立場上からか恋愛にはちょっと不器用感漂う大人の男性。そんな二人の甘苦な関係から目が離せません。
タイトルや文章の雰囲気にも統一感があり、装丁までデザインされた一冊の「本」を手に取っているようにオシャレなところも好きです。

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