ひと夏のさわやかな青春ロード・ムービー……、と、思いきや?

やんちゃ坊主の仁太と、謎多き少女麦音の、ひと夏のちょっとした冒険。
前半部分は、爽やかで心地よく綴られる二人の旅路に、青春時代を疑似体験するような心地を覚えます。
しかして、この物語が更なる展開を魅せてくれるのは後半から。
あまりネタバレちまうので言えませんが、この物語は、自らの過去に向き合おうとする主人公の成長物語なのでした。

読み進めていくうちに、麦音が抱える真実が浮き彫りにされていく展開が読み手を飽きさせず、
かつ、ひたむきな彼女をとりまく登場人物たちが、自らの気持ちを吐露していく姿も素敵。

やー、いい時間でありました。