柔らかく、締め上げる。絶対に逃げられないリアルな恐怖感。

じわじわと柔らかく追い詰められる、ぞわりした恐ろしさのある短編です。
付き合って2ヶ月の彼女・やよいの束縛に、次第に苦しさを感じ始める主人公・圭。アルバイトも卒論も投げ出すことができないのに、そんなことにはお構いなしに干渉してくるやよいに、圭は焦燥を感じつつ強い態度に出ることができない。
勝手にアパートの部屋へ入り込んできた彼女に、圭の苛立ちが頂点に達しようとした瞬間、物語は思わぬ展開に——。

じわじわと執着を強めるやよい。そのラストシーンに、読み手は背筋の寒くなる恐怖を覚えるはず。
この文字数だからこそ恐ろしさが真っ直ぐに胸に刺さるホラー短編。おすすめです。

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