アイビー

作者 羽間慧

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★★★ Excellent!!!

じわじわと柔らかく追い詰められる、ぞわりした恐ろしさのある短編です。
付き合って2ヶ月の彼女・やよいの束縛に、次第に苦しさを感じ始める主人公・圭。アルバイトも卒論も投げ出すことができないのに、そんなことにはお構いなしに干渉してくるやよいに、圭は焦燥を感じつつ強い態度に出ることができない。
勝手にアパートの部屋へ入り込んできた彼女に、圭の苛立ちが頂点に達しようとした瞬間、物語は思わぬ展開に——。

じわじわと執着を強めるやよい。そのラストシーンに、読み手は背筋の寒くなる恐怖を覚えるはず。
この文字数だからこそ恐ろしさが真っ直ぐに胸に刺さるホラー短編。おすすめです。

★★★ Excellent!!!

主人公を含め、登場人物の心情を、周囲の物体やさりげない所作で描く手腕は流石です。
そして降臨する『ヤンデレ』。大変スタンダードではありますが、恋愛って何だ? 怖くないか? と、なかなかに考えさせられます。

作者様の他作品にも見られるような、端的かつインパクトのある読書体験が味わえます。舞台が大学というのも、筆者には思い出深い(黒歴史)場所なのでイメージしやすかったです。

お薦めです。ヤンデレ好きには。