二人でバスを待っていた日のこと

男子高校生の「俺」は、クラスメイトの女子・円界と同じバスで通学しているため、一緒に話す仲になっていた。ある日、何気ない会話の中で、彼女が「もうすぐ魔女になる」と言い出して……。
曖昧だけど、忘れらない思い出を描く現代ファンタジー。雲を掴むような話だからこそ、「俺」の困惑がストレートに伝わります。
全ての不思議が解き明かされていないからこそ、物語世界の奥行きを感じられます。解釈をゆだねられている一方で、情景の描写が鮮烈で、こちらも胸に刻まれるようでした。