暗闇の暗殺者

　――2417年、日本。

　獣の呻く声が響く夜の闇。
　夜な夜などこかで人の悲鳴と、聞くに堪えない肉を食む音が響き渡る。


　かつては繁栄を極めていた日本が滅びの一途を辿ることになったのは、ある一人の科学者によって発明された薬だった。
　彼の開発した薬は人間の三大欲求を抑え込むものだったのだが、当然ながらそれが使用許可が降りることはなく、負の産物としての扱いを受ける。
　科学者はその負の産物とされた薬を廃棄するように指示をされ、地下深くに封印しようとした。が、彼はここで一つ過ちを犯したのだ。

　どうせ使われないのなら、一度くらい人間で試してからでもいいだろう。

　そんな浅はかな思いから、その科学者は傍にいたもう一人の科学者を強引に押さえつけその薬を飲ませた……。

　その後、二人の科…続きを読む