コペルニクス的片想いβα

騙されたとか裏切られたとか

僕は何ヲ言ってるんだ

言葉や想い出は一流の詐欺師だって

学校でも学んだはずなのに

しかも給食の時間に

女教師から叩き込まれたっていうのに

なのに僕はいっちょ前に失望なんかしている


学校帰りに蹴とばしたペプシのペットボトルは

嘘つきが嫌いな閻魔の喉元に沈んでいく

風にぶっ倒されたのは

路傍にある大木や電信柱なんかではなくて

やすやすと人を信じてしまう僕の心


昨日ちょっと贅沢をして食べたお刺身も

今日のお昼に頼むピザも

僕にしてはかなりリッチなんだけれど

それは僕の胃袋には行かずに

僕を騙したり裏切ったりした

言葉や想い出と一緒にどこかで

弾け散ってしまうんだろう


君は恥ずかしげもなく文の末尾に

「!」マークがやたらついた翻訳の詩集を

読んだりしていて

僕はそれが人生のまやかしで

時間を吸い取っていく泥棒だって

拡声器で訴えてるんだけど

それは到底届く気配なんてなくて

僕自身もいつの間にか

 言葉と想い出を

  トリックを仕掛けるように

   操っている

    知らず知らず

     隣り合わせた

      ジョーカーの

       おもむくまま


基地の近くを自衛隊機が

  噴煙をあげて飛んでいく

それはまるで僕らが

  僕と君の時間が心の底から

ペテンに引っかかっているのを

  知らせるようだった

だからか尾ひれになった飛行機雲は

僕らの頭を 髪の毛を 頬を撫でていくように

  空の中心に

    浮かび上がる

      その寿命尽きるまで

僕らを癒すように

   漂ってくれる

      風に溶け込んで

      こと切れるまで 

当たり前の日常なんてないと知りながら

僕らの味覚も官能も

また騙されて欺かれて

ペテンにかかる

それは魔法のように

ペテンにかかる

毒気のある

魔法のように




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