絵筆は脆くとも
夜中の三時までオンラインゲームをして
大学の講義は上の空
バイトは適当にこなして
最低時給に少し上乗せした程度
幸せって言葉を絵筆で描くには
その絵筆は余りに脆くて
不完全で未完成だけれど
君は充分に満足している
サラリーマン生活を始めて
大学時代は夢のようだったと
もし仮に君が嘆いたとしても
僕は君が好きだ
日に日に憔悴して
わけもなく過ぎていく時間に
焦りを感じたりしながらも
全肯定するしかない
僕は僕で今日も
トラックから降ろされた積み荷を
店頭まで運んでいく
それはMPを消費するタフな仕事で
時に倦怠と気だるさを感じるけれど
とりあえずはやるしかない
僕は君を励ますつもりもないし
力づけるつもりなんてものもない
獅子座流星群が落ちた20201117に
死ぬまでの行程 プランまで
ひょっとしたら偉大な力に
決められてしまったのかもしれないけれど
光がどこからか射し込み
こんな生活が様変わりするのを
僕たちは待ち焦がれている
昼食に注文したナポリタンも
古色蒼然としていて
懐かしい味と香りがして
今も昔も
人のいる場所は変わらないという
暗示かもしれないけれど
僕らは期待している
普段は20%も使わない
脳の全領域を使った
心も体も解放された場所があると
そうして悲しいことなのか
それとも喜ばしいことなのか
僕らの時間は
テーブルのナポリタンと一緒に
冷えては消えて 冷えては過ぎていく
君が最上級の太陽である限り傾く陽射しは君が嫌いだ @keisei1
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。君が最上級の太陽である限り傾く陽射しは君が嫌いだの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます