Programm Note

 ♪♪♪本日の曲目♪♪♪


《故郷》高野辰之作詞・岡野貞一作曲とされる。大正三年、尋常小学校唱歌六年用として発表。

(参考:吉海 直人「唱歌「ふるさと」について」同志社女子大学、https://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/faculty_column/2017-05-22-09-00)


 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ Johann Sebastian Bach《15のインヴェンション Invention》(1720年作曲、1723年改訂)第一番ハ長調。

 バッハの時代、鍵盤楽器の主流はまだチェンバロでした。チェンバロはピアノと違って弦を弾いて音を出す撥弦楽器であり、ピアノのように長い残響もなければ、強弱を自在につけることもできません。

 バロック時代の対位法を特徴とし、鍵盤楽器奏者が十指を使って複数のパートを歌います。


 シャルル=ルイ・アノン Charles-Louis Hanon(ハノン)《60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト Virtuoso Pianist In 60 Exercises》第一番。

 ピアノを習っている方なら一度は弾いたことがあるのでは。ひたすら同じ音形の反復練習。


 カール・チェルニー《四十の毎日の練習曲 40 Tägliche Studien》作品337

 ベートーヴェンのお弟子さんでリストのお師匠様ですね。指の運動です。冒頭練習は同じ小節を二十回リピートせよ、とあります。そんな〜! 


 カール・チェルニー《左手のための二十四の練習曲 Die Schule der linken Hand》作品399

 チェルニーの左手のための練習曲はいくつかありますが、こちらは比較的簡単なもの。練習曲っぽくなく、一つの音楽作品として仕上げる練習にもなります。


 ヨハン・バプティスト・クラーマー《六十の練習曲》(ハンス・フォン・ビューロー編)

「クラーマー=ビューロー」の通称で親しまれている練習曲です。こちらもとにかく指の練習ですが、チェルニーの「毎日の〜」に比べれば曲らしい……。疲れますけどね。


 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ピアノ・ソナタ第十一番、ハ長調

 モーツァルト時代のピアノはモダンピアノに対してフォルテ・ピアノと呼ばれます。現代のピアノより音の減衰が早くて小さい、鍵盤の幅も狭い。ウィーン式アクションという発音機構のピアノでは、繊細な転がるような音が長所だとか。


 ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 作品三十一第二番ニ短調「テンペスト Tempest」

 通称は本人がつけたわけじゃないのですけれど。しかし確かに、嵐を思わせるような激しさのある作品です。終楽章は馬のギャロップのような音形が繰り返されるため、私にはこれこそ練習曲みたいだと思います。


 セルゲイ・ラフマニノフ《幻想的小品集》より《道化役者 Polichinelle》嬰ヘ短調 作品三第四番

 本当に道化のような曲です。あっち行ったりこっち行ったり。ベートーヴェンから時代も飛んで、十九世紀末の作品です。この頃にはピアノもコンサート・グランドに。しかしこの曲、楽しいです。ぜひぜひご視聴ください。


 クロード・ドビュッシー《スティリー風タランテッラ》(再版 一九〇三年には《ダンス》のタイトルに)

 イタリアはナポリの舞曲「タランテッラ」。同じ主題が何度も戻ってくるロンド形式になっており、各エピソードが抒情的で非常に美しいです。拍子の交替も多く、雰囲気が突然に変わる曲。割と長い。ドビュッシーらしく不協和音が散りばめられているのですが、これまたやはりドビュッシーの語法なのでえも言われぬ魅力があります。ラヴェルが管弦楽編曲をしまして、こちらも素晴らしい。バーンスタイン指揮の動画ではバーンスタインがジャンプをしていますよ(確か)。

 うーん、この曲は、大好きです!


 簡単ではありますが、以上、個人的な見解を含むご紹介でした。でも響子の演奏会曲目はどれも素敵な曲ですので、ぜひお聞きになってみてください!


 ♡♡Dessert♡♡

 匠さんのスペシャル フォンダン・ショコラ。

 美しいコンポジシオンにご注目。



 曲のタイトルや成立年についての情報はピティナのホームページほかを参考にしています。


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それでもこの冷えた手が〜ピアニストとショコラティエ〜 蜜柑桜 @Mican-Sakura

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