闇のように黒い泥沼はやがて波及する
「……はい、はい。わかりました。」
電話を切る。突如として、伯母が亡くなったとの知らせが入り帰宅の準備をする。伯母は仕事が忙しい身でありながら、幼い頃の自分の面倒を見てくれたことをしっかと覚えている。普段の態度は少し悪かったし、自分の見てるところでも関係なく煙草を吸っていた。けど、笑うと美人で機嫌がいい時は駄菓子や親に内緒でいろんなオモチャとかを買ってくれたりしたっけ。
「お先に帰らせていただきます。」
そう言って、職員室の窓を閉め、大玄関へ駆け足で向かう。
「きゃっ。」
何かと衝突した。そして、突如としてわたしの目の前には見覚えのない、純白の白衣を着た女性が立っていた。
「君が、ミサキの親戚の子かい?」
目の前に人がいるはずなら気付くはずなのに、気付けなかった。とりあえずその疑問は置いておくとして、
「そう……ですが。貴方は一体?」
「あぁ、言ってなかったね。荻久保という。君の親戚であるミサキ君の仕事仲間だ。」
そして泥より深く 村崎 紫 @The_field
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