違法薬物事件専任の女性警察官の、裏の顔を描いた物語。
ショートショート的な現代ファンタジーです。分量にしてわずか3,000文字の小品。
失踪事件から始まり、また警察組織を舞台としていますが、事件とその解決を描いたお話というよりは、主人公である御崎日菜子というキャラクターに焦点を当てた作品です。
内容はおおよそ作品紹介文の通り。何か魅せられてはいけない深淵に魅せられてしまった人の、狂気とその行く末について描かれています。主人公の豹変ぶり、最初は破天荒ながらも個性的な女性警察官だと思っていたものが、でも終盤で実は……となるところが印象的でした。
なんだか「その先」を予感させるエピローグも含めて、独特のアンダーグラウンド感のあるお話でした。