突如、見覚えのない世界に飛ばされた少女が、そこで不思議な能力を駆使し、同年代の少女たちと戦うことになる物語。
異世界ファンタジー、ではあるのですけれど、物語としてはむしろデスゲーム的なお話です。異世界要素は実質ただのバトルフィールドみたいなもので、むしろ状況が掴めないまま殺し合いに巻き込まれてゆく、というのが主な話の筋。おかげで何について触れてもネタバレになってしまうので、この先を読む方は注意してください。
〈 以下はネタバレを含みますので注意! 〉
作品の主題、といっては大袈裟ですが、少女ふたりの友情物語であるところが好きです。もっというなら、ヒナの成長を描いたお話であるところが。
厨二病という題材をほとんどそのまま、思春期に特有の心の有り様として作中で取り扱っていますので、やはりそれに対する回答というか、ストレートに成長を描いているところが素敵でした。これをやってこそのお話!
結末、というか真相も良かったです。殺伐とした世界かと思っていたら、実は優しい世界だったことの安心感。最後にホッとできるお話は、やっぱり素敵なお話だと感じます。