第2話 ミスリルの洞窟
【ミスリル】の保有する倉庫にやってきた。ここには俺の装備を置かせてもらっている。
見上げるほどに積み上げっている武器や防具、消耗品を見渡しながら通路を進んでいると、見知った顔と対面した。
「よぉ、久しぶりだな」
「グリッドじゃないか。半年ぶりぐらいだな」
彼も元勇者パーティーの一員で、戦略担当をしていた知的で優秀な銃使いだ。名前をグリッドと言う。イカした眼鏡をかけた長髪イケメンだ。もう30近いのに老いを一切感じさせない綺麗で白い肌を持っている。
しかし、そんな見た目に反してピンチの時は後先構わず前線へ飛び出す。さらには笑いながら敵をなぎ倒す様から
「どこに行ってたんだ?」
「逃亡した
魔王軍の幹部はナンバーズと呼ばれ13人存在している。それぞれに数字が割り振られており、数字が若ければ強いという組織図になっている。
「ナンバーズは8人倒して2人は降伏。残りの3人は未だに行方不明だからな」
「手がかりも掴めないのか?」
「これと言った情報は無いな」
「……そうか」
「なんだ、倒しに行きたいのか?」
「そういうわけじゃない。ナンバーズが現れても、俺は戦闘に参加しないからな」
「わかってる。今まで見たいに若い連中へ指導してくれるだけでありがたいさ」
「いつ魔王みたいなのが復活するか分からない。それに、もう前線に出るのが怠いだけさ」
「相変わらずな性格だな」
グリッドは苦笑いを浮かべた。
「それで、今回はどんな依頼なんだ?」
「ブラックドラゴンのハンバーガーの依頼だ」
「ほう、そりゃあ大変だな」
ブラックドラゴンはドラゴン種の中でも気性が荒いことで有名だ。倒すだけでも一苦労。
「俺は配達員だぞ。狩るわけじゃないからどうってことはない」
「それ、フラグだぞ」
「おいおい、ありきたりな展開はお断りだぜ。そんじゃあな」
「おう、また今度」
倉庫はただのより道だった。本命はギルドと直接繋がっている洞窟だった。
洞窟の側面には申し訳程度の松明が置かれて薄暗い。魔法を使えれば光を照らせるのだが、生憎俺は魔法を使えない。
分かれ道を右へ進むと地面にキラキラと光るものが見え始めた。奥へ進むにつれてその数は増えていく。その多くは金銀銅のコインだ。
しばらくして洞窟の最奥に辿り着く。足場は金銀財宝で埋め尽くされてどうにも歩きにくい。
―――—そして、財宝の山の頂点に彼はいた。
異世界フードデリバリーサービス:Under Eats ~元勇者が始める配達員生活~ 四志・零御・フォーファウンド @lalvandad123
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