(四)-6(終)

 結局全ては翌日に解決した。一時間目が終わった休み時間にムサシ君の方から「昨日のことなんだけどさ……」と私に声をかけてくれたのだ。

 私が事情を説明すると、「なんだ、そんなことか。いいっていいって」と照れ笑いしていた。そして「球技大会実行委員、がんばろうな」って笑顔を見せてくれて、彼は自分の席に戻っていった。

 こうして、私はムサシ君に感謝の言葉を伝えることができた。まさか、たった一言伝えるだけで、こんなに苦労するとは思わなかった。でも、最後にはちゃんと伝えることができた。本当に良かった。


(了)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ムサシ君は行ってしまった 筑紫榛名@9/8文学フリマ大阪 @HarunaTsukushi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ