妖しく美しい平安編と爆笑コメディ現代編。2つのテイストが楽しめる作品

第一部は平安時代。うっとりとする流暢な描写が、人間離れした美しい姫君のいる世界に読者を誘います。
雅な世界の中にある危うさともどかしさ。想い人に会えない姫君の恋慕が、一人の男を狂わせ、悲劇へと向かわせます。その悲劇さえも狂気的なほどに美しく、否応にも悲恋を盛りあげます。
第二部は現代編。第一部と同じ作者?と疑ってしまうぐらいに、いたるところに笑いが散りばめられています。
まず登場人物の名前。下鴨モチと恋神マロン。
美味しそうな名前ですよねぇ。そしてこのモチちゃんがいい子なのにモテない。努力する方向を間違っている残念な子。このモチちゃんのセリフが面白いんです。思わず応援したくなる愛すべきキャラです。

平安時代の姫君にかけられた陰陽師の呪縛が、現代にどう影響するのか。
先の展開が楽しみです。

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