05

牢屋

マリアは乱暴に牢屋に入れられる。


兵士1(男)「明日の正午、裁判が開かれる。それまで命乞いでもしていろ。神のご加護があるといいな。ははは」


兵士1(男)が退場。

看守(男)が食事を持って来る。

看守(男)はわざと皿をひっくり返し食事をぶちまける。


看守(男)「メシだ。食え」

マリア「……」

看守(男)「おい、無視か。俺を無視するのか。俺を誰だと思ってやがる! この牢屋の看守だ! この牢屋で一番偉いんだ! ここの囚人はなあ、俺のいかようにもできる、お前もな!」

マリア「……」

看守(男)「無視するんじゃねえ、生意気な態度だ!」

マリア「……私は……私は……なにも悪くありません」

看守(男)「はっはっはっ! じゃあなんで豚小屋にぶち込まれたんだ。それはお前が罪人だからだ!」

マリア「違う……私は悪くない。なにも悪くない……私は被害者」

看守(男)「そうだな、ここにいるどうしようもない奴らはみな同じことを言う。牢屋に入れられた自称善人さ。無実だと四六時中のたまう。お前がいくら無実と言おうがどうでもいい。それは明日の裁判で決めることだ。たとえ無実でも、ここに入ったが最後、罪人の烙印を押されるんだよ。はっはっはっ!」


看守(男)は退場。


マリア「ノー様……私は……私はなにも悪くないのです。なんの落ち度もないはずなのに」

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