02

司祭(男)の部屋 深夜

マリア登場。

アーサー修道士が司祭(男)の部屋の扉を開けてマリアを招く。

マリアは司祭(男)の部屋に入る。司祭(男)は椅子に座っている。

アーサーは扉を閉めて部屋の外で待機。


司祭(男)「マリア、こちらへ座りなさい」

マリア「はい、司祭様」

司祭(男)「マリア、ノー様の御声みこえを聞いたことはあるか」

マリア「いえ、まだありません」

司祭(男)「そうか、やはりまだないのか、マリアよ」

マリア「はい。ノー様に十分お仕えすることができていないのでしょうか」

司祭(男)「そうなのかもしれない、マリア。他の者たちはすでにノー様の御声みこえを聞いている」

マリア「そうなのですか……私だけ」

司祭(男)「だからマリア、君を呼んだのだよ。大事な話とはそのことだ。今朝、私はノー様の御声みこえを聞いた。マリアに聖水を与えよと。ノー様はなにかマリアに伝えたいことがおありのようだ」


司祭(男)は立ち上がり部屋の奥へと進みノー様の石像に置いてある聖杯を取り、その中に粉(睡眠薬)と水を入れてマリアに差し出しす。


司祭(男)「聖水だ。さあ、飲みなさい」

マリア「はい、司祭様。……でも、もしノー様の御声みこえをお聞きすることができなかったら私はどうすればよいのでしょうか」

司祭(男)「マリア、心配する必要はない。ノー様のお言葉をただ信じればよい。さあ、マリア、ノー様が待っておられる。早く飲みなさい」

マリア「はい」


マリアは聖水を飲み干す。


司祭(男)「マリア、ノー様を感じるか」

マリア「なんだか、頭がぼーっとしてきました。体に……力が」


マリアは机に突っ伏して意識を失う。


司祭(男)「マリア、マリア、いい子だ、マリア」


司祭(男)はマリアを引きずりベッドの上に横たえる。

司祭(男)は扉を少し開けアーサーを睨む。


司祭(男)「アーサー、誰も私の部屋に近づけてはならぬ。決してな。のためだ。よいな」


司祭(男)はベッドに戻る。


司祭(男)「マリア、愛しいマリア。お前を拾った時からお前は私のだ、マリア」


司祭(男)司祭はゆっくり服を脱ぐ。

アーサーは部屋の外で丸くなり体を震わせる。

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