嘘のようなホントの話。本当のようなウソの話。
- ★★★ Excellent!!!
九割の事実に一割の嘘を混ぜる。騙しの要諦。不安が絡むとなおのことよし。
それは陰謀論も同じで、他愛なく意味も薄い真実を積み、感情が絡むところで大嘘をつく。理性的であろうとする人に情報を与え、疑わしい解釈を教える。傍から見れば稚拙な論理も、渦中にいれば真実になる。だからハマり、一度ハマると抜け出しにくい。
このエッセイあるいはノンフィクションは、COVID-19(コロナウィルス)騒動のさなかパートナーが陰謀論にハマっていく過程を、ユーモアを交えつつ淡々と、しかし、克明に描いています。
どこまでが真実なのか。どこまでが嘘なのか。なんなら嘘であってくれと言いたくなるような臨場感があります。
これからどうなっていくのか、今はどうなのか、いやそもそも事実なのか……と、読み物としても久々にゾワゾワきました。