無理することを止めました

あさぎ

第1話 負け犬は遠吠えた

動機は現実逃避だった。


頭の中の憂鬱な日常を、非日常である何でもありのファンタジー世界にしたくて

(きっと脳が「もういいじゃん、夢みようぜ!」と言ったに違いない)


自分の物語を形に残す手段として、小説を書き始めたのである。


面白かった。自分で考えた物語がどんどん進んでいく。それはそれは面白い。

だって自分が面白いと思って出来上がる文だもん。面白いに決まっている。


アイデアをメモしたり、ストーリーに必要な情報を調べたり。


もう逃げ場所よ。ただただ、考えなければいけない問題をゴッソリと小説にすり替えただけ。


しかしここで問題が生じた。というか詰んだ。


これは近況ノートにも書いたことなのだが、ある程度物語が進行すると、それを誰かに読んでほしくなるという欲求に溺れてしまったのである。


まずは、自分の頭の中を残したい。という欲求で小説を書き始める。


すると、その小説を誰かに読んでもらいたくなる。


そしたら、その小説を評価してほしくなる。


できれば、好評価を付けてほしい。


さらには、自分の作品を「面白かったからみんな、読んでみて!」と宣伝してほしい。


もしかしたら書籍化ってことも!!


・・・おこがましいっ!!(これで2度目)


ということで、どうやったら自分の作品を読んでもらえるかを調べ、実行に移した結果がTwitterだったのだ。


でもね、おばちゃんTwitterなんてやったことないから、まぁ~分からん。友達、誰1人使ってなかったからね。だってもうみんなおじちゃん、おばちゃんだもの。

(勿論世の中には、Twitterを使いこなすおじちゃん、おばちゃんも居るだろうが)


使い方を聞こうにも誰もやってないので、google先生にお世話になり、始めてみましたTwitter。


なんかね。スゴイ。これに尽きる。


スゴイの意味も本当色々なんだけど


自慢、虚勢、見栄、マウント、称賛、批判、宣伝、利用、などなど、たまに猫。


とりあえず、こんなにも人間の承認欲求を目の当たりにしたのはなかなか無い機会だった。


しかも一部のカテゴリーでこれなんだから恐れ入る。


あれ、フォロワーってやつも。やたら増やそうと拡散しているのを見た。あれ、増えたら何か貰えるの?


この言葉で全部片づけたらダメなんだろうけど


おばちゃんね、ついていけんかった!


宣伝目的で始めたので、とりあえずフォロワーを増やし、「読むぜ!」っていうタグにリツイート?して、返信を返す。タイムラインはどんどん流れるから、常にスマホを確認して・・・。(あぁ、これが監視というやつね)


結局何でそこまで頑張ったかって


ブックマークやプレビュー数を増やしたかったから!


これっ!沼っ!


承認欲求に支配されたこの数か月。しんどかったんよ。


んでさ、作品の続きを考えるより


どうやったらブックマークやレビューを増やせるかを調べて考えて


相互感想を書けばイケる!と言われれば、積極的に作品を読んで感想を残して。

Twitterにいいねして、リツイートして。


勿論、面白い作品に出会えた。知らない考え方を見た。視野が広くなった。


でもそんなに作品は読めんのよ。1週間分の献立だってまだ考えてねぇのに。


「読みたい」が「読まないといけない」になったことが本当につらかった



現実でやらないといけない事は大量にある。

いつのまにか、自分の作品を宣伝する時間で疎かになってはいけないことが溢れていたのだ。


Twitterでの宣伝や、相互感想の結果はというと


あった。確実にあった。数日間、数字が伸びたもん。

なるほどね、これがやっぱり必要なんだな。って思い知りました。

でも、じゃあこれからも続けれるのかと問われれば


ギブです。おばちゃん、無理。まじきちぃ


確かに作品は読んでほしい。読んだら褒めてほしい。


でも、書きたかった物語が進まない現状こそ本末転倒よ、マジで。


Twitter見てたらさ、ブクマ、感想お願いします。が多くて。それは当然な欲求で、さらに書籍化される1つの材料でもあるわけだから、当たり前激化していって。


作品を通して、自分の存在を肯定して欲しい人がこんなにも溢れているんだなって感心しました。


本当に情熱を持って作品に向き合い、宣伝して需要を高め、ストイックに数字と向き合う。


こんな人たちがいるからこそ、日本のメディア、特にアニメや映像関係は世界に誇れる高水準を維持できるのだと。あぁ。日本は安泰だな。としみじみ思いました。


人と簡単に繋がれるTwitter。

 名前も顔も、もしかしたら性別すら分からない人たちとの繋がりを求め大事にするツール。

 近所付き合いすらめんどくさい私には到底無理な場所だったんだな、というか余裕ナッシング


だからもう吹っ切れたというか。


私の作品を読んで!!ブクマして!!感想残して!!


をやめます。


Twitterの利用も作品の更新や本当に私の作品を読んでくれる方(多分数人)へのいいね、リツイートだけと決め。

(あぁ、これでスマホの電池消耗がマシになるかしら)


今の作品だけを完成させる為だけに書き続けようと思います。


だって、私が産んだキャラをこのまま殺すわけにはいかないから。動かせるのは私だけだから。


開き直り、負け惜しみ、、強がり、減らず口。


言ってください。その通りなんです。時代についていけなかった負け犬です。


でもね


はぁ~~~~!すげースッキリ。


発散する場所を自分だけが持っていれればいいや



動機は現実逃避だった


でも逃げていても


私は現実を生きているのだから


向き合わないといけない時が必ずおとずれる


向き合うため、戦うため


この逃げ場所を大事にしていこうと思う




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無理することを止めました あさぎ @asagi-0104

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