風情と人情とフシギが絡みあってノスタルジーは艶やかに

可愛らしい牝猫の棲まう町中のカフェに、ひと癖もふた癖もある人々が集い、時に愉快に語り、時に謎に首を捻ります。

陰のありそうな女奇術師に、生ける人形たち、霊妙なメダルの行方は如何に。流れ流れて辿り着いた年寄りのオルガンと腕白なネズミは、耳を澄ます者を踊らせて、どんな夢を見せてくれるのでしょうか。

読者は、ノスタルジックな杜の都の市電に乗って、揺られて、摩訶不思議な世界に御案内されます。