理想の世界に差し込む影

第一部を読みました。

全体的に綺麗にまとめられていて、物語の展開もすごく丁寧で読みやすかったです。
序盤は結構主人公にとってしんどい展開が続くけど、1章からのやり直しで一つ一つ後悔してことを回収していき順調に進んでいくのは読んでいて面白かった。その中で前のタイムリープではいなかった人物が出たり、逆にいたはずの人がいなかったりと不穏さもあって先の展開も気になっていく。
そういった感じで、透と綾香の関係がドンドン近づき進んでいく中に挟まれる不穏さ。その塩梅や差し込んでくるタイミングが絶妙で楽しめました。

ラストの展開もそれまでの流れが丁寧に描かれていた分、透の葛藤に共感できたし、下した決断にも納得があった。

思わずニヤけてしまうような甘い恋物語でありながら、読んだ後に物思いに更けたくなるようなとても綺麗な作品でした。