本格的ミステリー且つ異世界の雰囲気をじっくり堪能したい方におススメ!

『嘘とはなんぞや?』
『罰とはなんぞや?』

このお話のキーワードは、この2つのようにわたしは思いました。
お話の舞台は、ミティア教国という宗教国家。
この宗教では、偽りを口にすると神罰が下り、全身を業火で焼かれて死んでしまうのです。
では、嘘さえつかなければなにをしてもいいか、というとそうでもない。
罪を犯したものもまた、厳罰に処されるのです。

このお話の主人公は、ミナ・ティンバー審察官。
彼女は神より加護と呼ばれる力を与えられた審察官で、罪を犯した人間を取り締まるのが仕事。
けれどもミナは、罪を犯した人間を問答無用で取り締まる事に疑問を抱き、彼女の信念に従ってとある行動を起こしています。
そんな彼女が、ある町で起きた殺人事件の調査応援として派遣されることになりました。
ミナは、別の街から同様に派遣された、ハル・クオーツ審察官と共に、事件を調査することになります。
ハルは、審察官としてはとても珍しい、神を信じない移民の子。
ミナとは性格も異なり、最初は反発し合いますが・・・・

異世界であるにも関わらず、丁寧に作りこまれた世界観のため、まるでこの世界のどこかの国の出来事のような感覚で読み進められました。
最初はじっくり世界観を楽しみたいとゆっくり読ませていただいたにも関わらず、中盤以降はどうにも先が気になってしまい、ページを進める手が止まらなくなってしまったほどです。
登場人物も皆魅力的で、個性豊かなキャラクターも多く、わたしは本当に最後の方まで犯人が分かりませんでした。
この事件の犯人と、そして本当の・・・・

本格的ミステリーをじっくり味わいたい方に、是非お勧めの作品です!

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