我々は彼を知っている。とてもよく知っている。

喉仏三吉。

彼は偶然ここに生まれ落ちただけの存在かもしれない。

小説が好きで、読むのも書くのも好きで。
とある小説投稿サイトに登録したはいいものの、いつまで経っても『今すぐ投稿』ボタンをクリックできないでいた。

一つのテーマにつき〆切は48時間。それが10回連続で迫り来る「KAC2021」。どうにもネタが捻り出せず、苦肉の策として産声を上げさせられたのが彼なのかもしれない。

しかし、我々は彼をよく知っている。自分に自信がなく、小説を書いたものの公開を踏みとどまってしまう。よく知っている奴じゃないか。

我々はみな喉仏三吉氏であり、喉仏三吉氏は我々であるのだから。