命を失ってもまだ、心があるから──

生きる、ということは難しい。
それは人間を生かす本質でありながらも、人間を縛る呪い。
それがなければ生きていけないと感じながらも、どこかそこに囚われる自分を疎ましく思ってしまう。
だからこそ人間はより甘く優しい道へと歩を進め、いつの間にか本当に大切なものを手放してしまっている。自分のアイデンティティのために身を委ねた神も、今は牙をむき自らの亡骸を貪っている。

そんな世界に生まれ落ちた呪い。
彼らには「命」がない。人間の本質を失った者たち。
何にも囚われない彼らは、何者にでもなることができた。しかし彼らはその命なき姿を持って、どこまでも「人」であろうとする。
「命」の鼓動無き者の胸にも、確かに「心」という生きる証が刻まれている。

その姿を見た時、私たちが感じるのは人が持つ美しさ、そして力強さ。

これは彼らの胸で輝く「心」の物語。