神葬ヘレティック
藍染三月
プロローグ
告解
これは死体から聞いた寓話だ。
むかしむかし。それはきっと、祖父母の記憶を覗き見て、深くまで
旅人が、閏年というものをその村に伝えた。それは四年に一度だけ、存在しない一日が訪れるというもの。枯れた村で神の恵みを待ち続ける村人に、旅人は気休めの戯言を吐いた。
存在しない二月二十九日、その日に生まれた人間は、神の声が聞ける存在である、と。
余所者の言葉を信じない村人に、旅人は言霊について説いた。願いを一年唱え続ければ細い糸が紡がれ、また一年、もう一年と祈り続ければやがて糸玉になる。信じ続けることで、奇跡のように、魔法のように、織り成した願いは
――希求、憧憬、偏見、信仰。向けられる強い感情は光のように集束して、対象を焦がし、穴を開ける。黒ずんで
人ならざるカタチを得ることは、果たして
紅血で
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