一票で十万! トラックに一票に「一票」?いや俺が 屋台の屋台骨太郎~つるつるの俺がこの国を買いました(シュールホラー編) 底抜け魔人の大逆襲

水原麻以

底抜け魔人の大逆襲 

その飲食店での営業妨害は、鬼籍入りの料理人が、生活保護受給者に食べ物を提供した場合のみ、営業妨害とは見なされないらしい。

テンプレ、お笑いトランプ劇場の「一票に一票を。」を、なんとか「パクる」ことには成功した料理人が、どうやったら、トラックに一票を入れることができるかを、考え始めた。

果たして料理人の悩みは、「どうしたら、一票に一票が入れられるのか」であった。

「一票に一票を」とは、一体、どんなお題目なのだろう。

料理人は考える。

まず、「一票に一票を」とは、一票に一票を入れるということだ。

では、ここで、「一票に一票を」とは、一体、なにを指すのだ?

そんな料理人の悩みを、誰もが察したのか。

「一票に一票」は、「あんみつ一票に一票」と、料理人は宣言をする。

そんな料理人は、一票に一票を「パクる」ことで、一票に一票入る。

「パクる」と言っても、食べる時ではなく、出す時の音である。

例えば、料理人が、あんみつをあんみつに、パクる時である。

では、あんみつに入っているものは「生卵」である。

だが、その食材は「醤油」である。

すなわち、「あんみつ一票に一票」というのは、「一票に一票をパクり」を意味していることになる。

では、あんみつはどうやって食べるのだ?

味の定義は調理者の味覚による。

しかし彼の主観は絶対ではない。

調理者の味覚に、あんみつの「味の要因」を割り当てたのだ。

料理人はあんみつを作った人間に対して、「一票に一票」と、宣言するが、実は、「あんみつ一票に一票」

そこへ緊急タワーが降ってわいた。

「料理長、曲者でござる」そう、あんみつ料理長兼卵王、一票に一票のシェフが現れた。

「はっ」と、料理長が立ち上がる。

「えいっ!」料理長の声に、卵が躍り上がる。

一票は、あんみつを一つ掬い上げ、スプーンでつんとつけ、フォークで刺す。

「へい、どうぞ」料理長のその言葉に、料理長の顔が、真っ赤に染まる。

「へ、ヘボいっ!」料理を、一票と間違えて、パクりとかみ殺した料理長が、皿から飛び出す。

そのまま、店の向かいのマシンガン酒店に飛び込んだ。

そこで特売品のマムシ酒を衝動買いしてしまった。

ためらうことなく料理長は支払った。

そしてマムシ酒を隠し味に使う。

マムシ酒を口に入れると、酒が旨いのか、あんみつが美味いのか、両方共美味い味となった。

「おっ、美味いじゃねぇか」料理長のその言葉に、酒代はタダで頂けた。

料理長が、「次は一票だ!」と、言うが、一票に一票。

あんみつはとっくに完食していた。

またのちほど、「あー、美味かった」料理人は、その料理の味を誉めちぎる。

「また美味いわ」それを聞くなり、おたまは料理長の手を引っぱり、「次はどっちの料理長だ?」すると、天井のミラーボールが回りまくって室内に星が降った。

そしてゴンドラに乗って新宿歌舞伎町のママが現れた。

ゴンドラは、酒店から歌舞伎町のオフィスビルに移り、ママは料理長に一票を入れた。

料理長はママに一票を入れた。

そして料理長は、ゴンドラから飛び降りると、ママを、投げ飛ばした。

そして、ママのいるオフィスビルの非常階段を、飛び足で上っていく。

ママがエレベーターから落ちてしまった。

そして、ママはキッチンの壁に叩きつけられ、意識を失った。

「ママが、死ぬっ」と料理長。

そして、料理長は包丁でママを、突き刺した。

しかし、キッチンの壁には、ひびひとつなかった。

するとインドの山奥からバラモン密教大臣が飛んできた。

ペルシャ絨毯に乗ってきた。

そして料理人は、インド料理を食べて、バラモン僧に、料理に一票入れた。

料理長は首を傾げた。

料理長もパパも、料理に一票。

だから、料理長はパパにおたまを、入れさせる。

パパは料理長とパパの間と包丁で、バラモン密教大臣を、刺した。

包丁に一票入れた。

パパと料理長の間に、何かが入る!

それは、パパの首とパパの口だった。

料理人は再び包丁でパパを刺した。

するとパパの首が折れた。

料理人は首を傾げた。

首とパパの口が、光った。

ママはパパを食べた。

「醤油が足りないわ」とママが言った。

パパはママを食べた。

「カレー粉も足りないわ」ママは、パパを食べ終わったパパを、食べた。

そしてパパが死んだ。

パパは、パパとママを光らせた。

そして料理人は、パパに一票入れたかった。

その晩のパパは、包丁でママを食べて、パパが死んだ。

そしてシェフは、ママに一票入れた。

するとパパは、ゾンビに食べられた。

そしてシェフは、最後の手段に出る。

「ここで本日のスペシャルゲストをお呼びしましょう!底抜け魔人さーん!」シェフが底抜け魔人を呼んだ。

何んと商店会長自らのお出ましである!

「どよよーん!」底抜け魔人が北海道バターと大分特産ウスターソースを持って現れた。

ぷーんと独特のにおいがただよう。

調味料が、においを演出する。

「わ、わわ」とママが、口を押さえている。

そして、底抜け魔人は言った。

ウスターソースをバターにかける。

「カレーです!さあさ、カレーを食べましょう!」底抜け魔人が言った瞬間、厨房にカレーの香りが漂った。

そして、においはとどまることをしない。

鼻がひりひりひり!

そして、目がとどまることなんて、おかまいなしで!

「とどめは播州赤穂の焼き砂糖よ!」ママがどこからともなく播州赤穂の焼き砂糖を取り出した。

「おい!播州赤穂は焼き塩だろう!なんで砂糖なんだよ!何で塩田で砂糖が取れるんだよ!」シェフがツッコんだ。

すると底抜け魔人が「びっくり箱ポン!底抜けポン!」と呪文を唱えた。

すると全員が沖縄にワープした!

そこは一面、さとうきび畑だった。

「カレーよ!」ママが、さとうきび畑の真ん中にスプーンでカレーをよそい、バターをかすめる。

カレーはバターの甘い匂いのもとを通った。しかし、甘いにおいは、カレーの甘い匂いのもとを通らない。そこにあるのは焦げたさとうが、白い粒の中に入っていた。やがておびただしい量の塩と砂糖が、それを包む。「これで、カレーが出来上がったわ!さあ、パパよ!」底抜け魔人は、パパの目の前に立った。そこは食べ物が腐らないよう、地下に埋められた秘密の階段がある。

甘い匂いのもとに来たはいいますねえ!

この甘い匂いのもとに来られては困るのです!

だから甘い匂いのところにしか来るな!

その香ばしいは甘さなのだ!

パパとママとシェフは、「カレーは甘くてしょうが焼き味の香ばしい匂いのするところに来るんだ」と、そこを通らない。

「カレーは甘くてしょうが焼き味のかたまりなんだ」と言う!

これで、甘くないカレーは、しょうが焼きの香ばしい匂いのもとに来るのか?

甘いんだよ!

パパとママが甘いんだよ!

」「あ、甘いんだ!

カレーは甘いししょうが焼き味の匂いさえないので甘いはずなんだ!

そして、ママがボソッと言った。

とシェフは思った。

その後の料理は美味しそうだった。

========すると、底抜け魔人はこう言った。

どこへ?

とママが訊くと底抜け魔人が言った。

」「ついていく必要はないだろう」「えええー!

そして、三人は、ついていった。

どこへでもいく。

そして、底抜け魔人は去っていった。

何なんだよ。

すると、ママは「そうそう、パパにシェフが一票を入れたかったのを聞きに」と話し出した。

あ、あれこれいいこと考えてなかった」ママの頭の中には、「一票入れたかった〜。

そして、オーナーさんの名前をママは言った。


。シェフは、この事態に絶望した。「もう、何もしない......こんな事に首を突っ込みやがって...」そう呟くと、すぐに、ママがシェフの背中を押してくれたので、シェフは「大丈夫。僕が何とかする」と頷いて「じゃあ、僕、シェフさんを探すよ!」と言った。そして、その後、ママやシェフの声が聞こえなくなった。

そんな中、お客の中でただ一人、「パパ〜、見つけたのね」という声が聞こえてきてシェフは振り向いた。すると、ママが「あれ、誰かいる?」シェフはつい振り向いた。しかし、誰もいない。

「え........?」

すると、目の前の通路から声が聞こえてきた。

「何してるの、パパ?」

そして、その通路の先からは、お爺さんが出てきた。

「おや?、お嬢さんたちですか」お爺さんはシェフに聞いた。

「パパ、パパ、パパ!」

しかし、なぜかパパのことを、パパって呼ぶんだ。シェフはそう思った。そして、不思議に思った。

「パパ〜。何でここにいる?」

すると、パパはやけに落ち着いた声で聞いてきた。

「えーと、ちょっと、お世話になっております」シェフは訳がわからなかった。

「それは、何のお世話だ? お嬢さんたちに何を頼んだんだ

========

.........

やっぱり、ここから、地獄に、入るのよ.

「いや、でも、地獄とかよく見えるよ」シェフはつぶやいた。

「いいえ」地獄だと思われた部屋の中には、一つだけ部屋がなかった。

しかし、部屋の中に入るためには、かなりの勇気がいる。

それから、四人と一匹の魂が入った。

それも、少し開いた穴だったが。

「私たちについてきてください。」

「ちょっと、なんか聞こえたけど」シェフは言った。

」「あ、本当だ。

お金を払ってるんですね。

じゃあ通りましょう。

シェフさんは私についてきなさい。

ママに代わってくれ!

結局、オーナーさんが好きだったのだから、誰にどう思われようが構わない。

しかし、あの地獄で生き返ったからと言って、ママは、ただの人間であることを認めるわけにはいかない。

しかし、誰も認めようとしなかった。

ママは、誰に何を言われようとも、どんな罪を問われようがどうでもいいと思っていた。

シェフには、誰にも言わずにいた。

「お母さん」シェフはシェフを呼んだ。

「シェフ」ママは言った。

お母さん、ママはシェフを思った。

「ねえ、ママ」シェフは言った。

「あなたって、本当に、人間だよね、だって、パパの話だとオーナーさんって、パパにも負けないくらい、すごい人だよね」ママはそう言って、優しく、ママの頭を撫でた。

そこで、ママの中で一つの考えがひらめいた。

オーナーさんは慌てて部屋の中に引っ込んでいった。

なんでお母さんを責めるんだ?

それより、何でいきなりシェフを出しちゃうのよ」「それは.

あら、どうしたの?

「それはまだ秘密ね」と亜里沙は言った。

「そうだね、今から話すから」とシェフは答え、その場に座った。

そう思った。

私はパパと話してくる。

お母さんを置いて先に逃げないで!

私は、オーナーのバラモンです。

これでよろしいですか?

「では、ごゆっくり」「ありがとうございました」オーナーさんとシェフは店を退店した。

店を退店した後、その場にいた全員が、どういう意味だと理解はしていた。

しかし、シェフとママの二人は、オーナーさんの表情は固かった。

何があったの!

ママが聞くと、彼は絶叫した。

「はめられた!」

そうだ。全員が地獄に落ちたのだ。バラモン密教大臣が全員に天罰を下した。罪状は言わずもがな、食い物を粗末にした容疑だ。

「は、私は魔人ですが?」

底抜け魔人が狼狽えている。

「おめーだって生き物だろうが!」

「そんなこと言ったって、オーナーさん。貴方もバラモンでは?」

「バラモンはバラモンでも薔薇門だ。うちは綱吉公の時代から続く三味線料理の老舗だ。徳川家綱公から婆羅門の屋号をいただいた。バラモンつながり関係ねーし…つか、ちょっぴり便乗してるけど」

てへっとオーナーさんが舌を出した。かわいい。

「死んだんですね。そうですね」

底抜け魔人がうなづいた。そして呪文を唱える。

「びっくり箱ポン!底抜けポン!」


すると天国の底が抜けた!

どばばーっと空が割れ、バシャーっと大量の雨が降り注ぐ。


それは地球創世の試練に耐えて、タプタプと原始生命の萌芽が漂う海だった。


オーナーさん、パパママ、底抜け魔人…だった有機体は地球の命たちに美味しい生命のスープとなって溶けていった。


地球の新しい朝が始まる。


(了)

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