せめて、雨が涙をけしてくれ

ずっと未来の話。

もはや文化遺産となった「文字での手紙」を、自分に宛てて書くというのが、子供の頃にあった。
だけど、僕たちは仲間内でこっそりそれをお互いに届くようにした。


掌編でありながら、その行間にこもった気持ちの濃厚なこと。

あの日に伝えられなかった言葉を、手紙は「今の僕」へと伝えてくれる。

せめて雨よ
涙をけしてくれ。


そう願わずにはいられない、読み終えて息が漏れる珠玉の作品です。

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