それが何なのかも分からないでいた頃の記憶が成長することで理解して、理解した頃には追いかけても届かない。淡くて手のひらに乗せたら解ける雪みたいに切ない話でした。
写実的な描写と、フィクションと笑い飛ばせない世界観は、何処か私たちの未来を予期させます。短編小説とは思えないこの重み、なかなか書けないと思います。ぜひご覧ください!
夢から覚めた現実は、たいていは、悪夢から目覚めて安堵するもの。それが逆だったら……ああ、救いがほしい。
帰宅した僕に届いたそれは、過去からの手紙。管理教育を受けていたあの頃、僕たちは課程を終えた記念に未来に向けて何かを残すことにしたんだ。未来の自分に向けて書くはずだった手紙を、友人同士で書いて送り…続きを読む
まず目に触れる文章としての巧みさ。それでも読み耽るうちに見るべきものが文章の巧さではなく展開の上手さであると気付く。主人公に。そして主人公を思う人に。主人公が思う人に。いったい何が起きたのか。…続きを読む
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