閉ざされた蕾は、花開く

凍てつく冬から、花開く春に移り変わっていく、北海道の港町。その、美しくも遣る瀬無さを感じさせる情景の描写に惹き込まれていきました。
エリカを迎えてくれた、「お姉ちゃん」リラ。
エリカが募らせてきた苦しみも悲しみも全て、リラが抱きしめて、言葉をかける9話は特に忘れられない、胸を打つエピソードでした。
エリカという蕾が、綻び、花開いていく、その始まりを見たような心地がしました。

文章の美しさ。読む人を引き込む心情描写など、私も物書きとして、目標にしたい程の作品だと思いました。

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