伝えられなかった言の葉は、雪と積もって
- ★★★ Excellent!!!
自主企画参加頂き、誠にありがとうございました!
読了させて頂きました。
佳恵と佐知。二人が、お互いに向ける感情の質も量も、等しくなる事はないままに、二人は別れを告げました。
本当は、どの友達よりも佳恵の事が、好きなところをあげ始めたら止まらないくらい好きなのに、学校近くのバス停まで話す以上の関係にはなれない事に遣る瀬無さを感じました。
佳恵に、自分が「女性を愛する」女性であると悟らせてはならないと、佳恵を大切に思うからこそ、彼女に対して、佐知は多くの言葉を飲み込んだ。
その、語れなかった言の葉が、佐知の心の中、喩えの通りに、雪となって幾重にも積もり行く様が浮かびました。
自分から突き放そうとしたのに、最後には、それでも佳恵から、何か、「明日」を、「将来」を期待させる言葉を求めてしまう…、そんな佐知の心情を感じ、切ない読後感と余韻に浸りました。
長文となってしまい、失礼しました。
素晴らしい作品をありがとうございました。