第7話:復讐準備2
「鍛錬に行きますから着いてきてください」
「「「はい、お嬢様」」」
私は復讐の準備を急ぎました。
イヴォンヌは私を惨めに生き永らえさせて愉悦を感じたいのでしょう。
ですが配偶者に入ったゴーエル男爵は私が邪魔でしょう。
王家が婚約を辞退させたとはいえ、万が一顔の傷が完治すれば公爵家の後継者は血統を考えれば私になります。
できれば息子か娘に公爵家を継がせたいゴーエル男爵なら、どのような手段を使っても早急に私を殺したいはずです。
「まずは火炎魔術を強化します。
王宮に張られた防御結界を討ち破り、焼き払うくらいの火炎魔術が必要です」
「「「はい、お嬢様」」」
謀叛を決意したとも言える言葉を聞いても、ロドリグ、サロモン、ヴィオレットの三人は全く動揺しません。
私の為なら王家に剣を向ける事も躊躇いません。
とてもありがたいことです。
それだけに三人を犬死させるような事はできません。
「次は未開地の中に拠点を築きます」
「「「はい、お嬢様」」」
イヴォンヌとゴーエル男爵だけでなく、王家にも復讐するとなれば、王家を滅ぼした後で国を治めなければいけなくなります。
王家を滅ぼしておいて代わりに国を統治せずに放り出すなんていうのは、余りにも無責任過ぎる事なのです。
そんな事をしてしまったら、国内は王権をと手入れようとする者達で混乱の坩堝と化し、激しい内戦になってしまいます。
だからイヴォンヌとゴーエル男爵を殺しゴーエル男爵家を滅ぼしても、王家は滅ぼすわけにはいきません。
国民の生命や財産を背負うなんて重圧は絶対嫌ですからね。
火事に見せかけて王と王太子の顔を焼く程度で我慢しなければいけません。
いえ、やっぱり別の方法を考えないけませんね。
イヴォンヌとゴーエル男爵の顔を焼くのは絶対ですから、関連を疑わせないためには、別の方法で復讐すべきですね。
「お嬢様、万が一王家の討伐軍が来る事も考慮して、ゴーレムかスケルトン、あるいは従魔を防衛に使えないでしょうか」
慎重なロドリグらしい提案をしてくれます。
確かに千人力と呼ばれる三人でも、たった三人でこの拠点を護るのは難しいでしょうから、配下として手足のように使える兵は必要ですね。
でも従魔だと食糧と言うか餌が必要になりますから、維持していくのが大変です。
それよりは周囲から魔力を集めて蓄える装置を創り出して、それをエネルギーに動くゴーレムやスケルトンの方が使い勝手がいいでしょう。
その方が拠点を完全に留守にすることができますから。
「分かりました、ガーゴイルとスケルトンを創り出しましょう」
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