『アホくさ』と『感動』は両立できる(認めたくないが)

読み始めたきっかけは、書籍化に際してのキャラデザのツイートを見て「うお……デッカ……」となり、こんなにでっけえ女ばかり出てくる小説って一体なんなんだと思っての事でした。
最初こそあまりの馬鹿馬鹿しい内容に辟易する事もありましたが、読みやすいのでついつい読み進めていくうちに、それすらも魅力の一つとして感じている(実際にそうなのですが)自分がいました。
そしてとうとう、冷めた目で見ていたはずの物語に対して手に汗を握り、先程までは感動の涙すら流していました。
寝る前に少し読みたかっただけなのに、既に空は明るく、鳥と蝉が鳴いています。解せぬ。
ともかく、この物語はとある男のしょうもない独白から始まり、様々なしょうもない人々の『アホくさ』としか言いようがない思惑をクソ真面目に描きつつも、己の生まれながらにしての地位や築き上げてきた名誉、あるいは他者に対してのどうしようもない憎しみや限りない愛情もまた大真面目に語る、アンバランスのように思えてバランスがきっちり取れている名作です。
今回どうしてもこの思いを伝えたくてレビューを書きましたが、実はマルティナ覚醒編までしか読んでいないので、これからどうなるか楽しみです。
長々と書きましたが、最後にこれだけは言わせてください。
睡眠時間返せ。

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